群馬県警HPより
概念図とは
誰が見ても、パッと対象物のイメージを理解できる図のこと。
登山をする人であれば、8割方の人が聞いたことがあると思う。
概念図という言葉自体は、登山に限らず、会社や、日常的にも使用されている。
人間関係の相関図や、家系図もそうであると言える。
ちなみに、登山口にある、「山域をイラストにした看板」も概念図だろう。
が、しかし概念図に対して、難しいイメージを持っているのではないだろうか。
見てもわからない、書き方がわからない。
書きはじめの頃は確かにそうかもしれない。
慣れてないころは、実際に山に行くと、「概念図」と「実際の山容」の違いに悲しくなることもある。
しかし、行く前に、その山のイメージを、頭に持っていると、
この山は〜とか、沢を超えたから〜とか、これまで以上に登山が楽しくなる。
今回は、最初にあげた図のような、概念図を書く方法を伝えられればと思う。
単純明快な図を作ることを目標として、
「山頂、尾根図、谷、沢、その他目標物になりそうなもの」
これを、誰もが見ても分かりやすい図にしていく。
使用するソフト
私は、GIMPというフリーソフトを主に使用している。
ペイントや、他のフリーソフトを使用したこともあるが、
個人的には、GIMPは使いやすさや拡張性に優位を持っていると思う。
逆に、複雑なのがデメリットではあるが。
「レイヤリング」「透過性」「ぼかし」
無料でここまでの機能を持っているのは、かなり評価は高いと思う。
まずはダウンロード。
実際に作図する
ベースとなる地形図をダウンロード
国土地理院などの、HPから、地形図をダウンロードする。
今回は剱岳を参考にした。
ダウンロードするなら、縮尺は1/25000の図がわかりやすい。
ちなみにこれは縮尺が1/50000の図
等高線が荒く、谷や尾根が複雑な場合は表現されないため、概念図作りには適さない。
まずは、これをダウンロードして、保存しておく。
GIMPを起動し、下準備をする
画像サイズは、印刷のサイズに合わせるのがベスト。
GIMPの、ver2.10であれば、選択出来る。
この赤丸をいじれば、調整出来る。
サイズはmmに設定を忘れないように。
これを、必要枚数のレイヤーを作成する。
レイヤーメニューから、「新しいレイヤーを追加」を選択。
それぞれに名前をつける。
また、山頂
レイヤーの例としては、
①背景(元となる地形図)
②尾根
③谷、沢
④山頂
また、
尾根や、山頂に文字を入れていくなら、
それぞれをレイヤーグループにしておいた方が後々無難。
ちなみに、追加時のサイズは自動的に、最初作ったレイヤーのサイズになる。
このように、複数枚に分けておくことで、後々役立つので、必ず行う。
レイヤーを簡単に複数枚作ることができるのが、GIMPの魅力でもある。
画像の導入
ここで、先ほどスクリーンショットした地形図を利用する。
①画像をドラッグ&ドロップする。
もしくは
②[ファイル]->[レイヤーとして開く]、もしくはショートカット「Ctrl(Command) + option + O」で下地にする画像を開く。
スクリーンショットした画像をA4サイズに近づけるため、
まず、画像のレイヤーを選択。
「拡大/縮小コマンド」ののち、画像の四隅にある四角をドラッグして拡大、縮小する。
サイズを合わせたら、元の、レイヤー「背景」を削除して、
この画像をレイヤー「背景」に設定する。
これで、導入は完了。
これから、尾根や、谷を書き込んでいく。
尾根を書き込む
顕著かつ、判別するのに特徴的な尾根をペン機能でなぞっていく。
使うのは、レイヤー「尾根」
間違っても、他のレイヤーに書き込まないように注意する。
まずは、県境や徒歩ルートを参考にすると、わかりやすい。
名前がついている尾根は、必ず書き入れる。
ざっとこんな感じだろうか。
ざっくり概要がわかればいいので、自分は、多くは引かない。
もし、実際に行って、必要そうなものがあれば、書き足してアップデートしていく。
ちなみに、レイヤーメニューにおいて、
目のマークを押すと、そのレイヤーの表示、非表示を選択できるので有効活用していく。
谷を書き込む
尾根に挟まれた部分が、谷なのでわかりやすいと思う。
尾根は高いところに向かって収束し、
谷は低いところに向かって収束することを意識すると、描きやすくなる。
レイヤー「谷」を使用し、水色を使って、わかりやすくする。
こんな感じだろうか
ただ、尾根や谷線を書き込む場合は、ここで終了である。
名称を書き込んでいく
以降は、文字を入れていく作業になる。
レイヤーグループを利用する。
各グループレイヤーの下に、追加していく。
山頂は「▲」
小屋などの建物は「■」
これには、テキストエディットを使用した。
ひとまず完成
最初の地形図を、非表示にすると、
最終的にはこんな感じになった。
いかがだろうか。
さらにさらに追加で
山頂は、「▲」で示したが、
さらにわかりやすくコルを追加していく。
コルの地点を、「l l」で示す。
また、この地点をわかりやすくするため、
該当区域は消しゴムで消してあえて空間を作る。
コルは尾根にしか存在しないので、
レイヤー「尾根」で編集。
地味に辛い作業です。
完成
ここまでできたら、十分、概念図としては使えるはず。
あとはお好みで
主稜線は太くするとか、
色を増やすとか、
好みで追加いくのも楽しみの一つ。
書き出し作業
[ファイル]->[Export As]、もしくはショートカット「Ctrl(Command) +Shift + E」
にて、PDF様式で書き出す。
このような、図ができる。
あとは印刷するのみである。
まとめ
GIMPを使って、概念図を作成する作業を紹介した。
実際にやってみると、かなり細かい作業なので、ミスが多くなる。
適宜保存しながら作業を進めていくことをお勧めする。
トレーシングペーパーに書いていく一般的なやり方と比較すると、
○作業を繰り返し行えること
○適宜アップデートしていくことができる
○必要部分だけを印刷して、テストのような利用もできる
などの利点を感じた。
やるだけ損はないので、ぜひ、トライしてみていただきたい。